【ウエディングSTORY】母からの合格通知
結婚して 数年が経ち
久々の帰省 1泊2日ではあったけれど
日帰りは難しい距離
到着日もいろいろ楽しもうと思ったら 早朝の出発になる
お昼ごはんは 車中食
私はどちらかというと 寄り道して どこかの名物料理を食べたりしたい
でも 彼は 時間がもったいないから おにぎりでいいと言う
なので私は 旅支度と共に おにぎりを作ることになる
私自身は 途中のコンビニでおやつやサンドイッチを遠足気分で買い込むから
おにぎりは 必ず余る
私たちの夜型生活とは真逆の
年寄り2人の晩御飯は とてつもなく早い
余ったおにぎりは いつも彼の夜食になる
今回 母が
「おなかすいた、このおにぎりもらってもいいの?」 と突然言い出した。
実家にいた頃は 母が台所のボス
娘が作った料理をそもそも信用しておらず
私も積極的に作ることはしなかった
その母が 私のおにぎりを食べた
自分では決して入れない具材を面白がっているだけにその時は見えた
ところが 翌日 出発の準備をしている私に母が言った
「わたしにおにぎり作っていってくれる?」
あまりの唐突で意外な依頼に 頭の中が「????」戸惑っていると
「忙しいならいいんだけど、あんたのおにぎり、美味しいから。」
結果 母の依頼通り 3個作って 置いてきた
「やったー 今日の私の晩御飯~♪」
結婚して数年 お料理の手本はいつも母で
どんなにどんなに頑張っても 追いつけない 「おかーさんの手料理」
父も 私も 母のおにぎりが一番美味しいと思って過ごしてきた
それは今も変わらない
いつになったらあの味が出せるだろうと
結婚以来 日々奮闘していた私に
やっと、合格通知が届いた気がした
この夏でした。