【新郎新婦からの質問】教えてくれるんですよね?
いいえ。教えません。
さて 唐突に何の話でしょう。ちょっとイジワルですね。
この「教えてくれるんですよね?」の問い、
実は挙式に入る新郎新婦から、よく投げかけられる質問です。
何のことかと言うと・・・・
私たちローズガーデンクライスト教会の挙式は、おおよそ30分。
その間、お2人は講壇に上がっています。
講壇の上は牧師先生と、お2人だけ。
壇上は、今日ここで夫婦になることを神様の前で誓う、
その大切な場所ですので
カメラマンの立ち入りを極力控えています。
ご親族も、ご参列のゲストも、全員がお2人と同じ方向を向いています。
挙式でのお2人はずーっと立ちっぱなしではありません
誓いの言葉をお2人に暗唱していただき、
指輪交換から結婚誓約書へのサイン、
その後お2人は誓いのキス・・・という流れです。
もちろん、動きについては事前のリハーサルでご説明しますが、
挙式が始まってからは
お2人のそばで 「お2人は内回りで向かい合って・・・」とか
「右手に持っていたグローブを持ち替えて・・・・」とか
「二つの指でベールを挟んで 手首を返すように・・・」とか
都度 ささやいてくれる影の声はありません。
「さぁどうぞキスをしてください、せーの!」なんて声ももちろんありません。
牧師先生も、手の動きと小さな声でお2人を誘導しますが、
あくまでもお2人の導線をサポートするくらいです。
マイクに向かって礼拝堂に響く声で
「それではご新郎様、右側からこちらへ!!!」なんて言いません。
司会者ではありませんのでね。
ですので挙式の動きは全てお2人に覚えて頂かなければなりません。
一つ一つの動きを忘れずに。しかも急がずゆっくり。
絶っ対に間違えてはなりません。絶対に。
・・・・・・・うそです。
牧師先生が小さな声で誘導するのみです、というのは本当です。
ですからきっと、 「・・・教えてくれるんですよ・・・ね・・・?」という先述した問いが
投げかけられることになると思うのですが・・・
同じく先述したとおり、大まかな動き以外は教えません。
言い方を変えれば、
それ以外はすべてオリジナルでいいんだよ、ということです。
もちろん、新婦をエスコートする、ゆっくりと歩く、指輪を交換する、
ベールを上げる、それらの動き、
こうあればいいな、というスマートに見えるお手本はもちろんありますが
大勢の前で、一生に一度の大舞台で、その通りにできないなんて当然です。
そうしてくれたらいいな、って思いながら、願いながら
その為に 衣裳店では事前のフィニシングスクールや
担当スタッフからの個別レッスンがあり
牧師とのお顔合わせではお2人の挙式の中の動きを示した
「リハーサルブック」もお渡ししています。
でも、その動きに縛られて、とらわれて、がんじがらめになって
挙式中の大切な聖書の言葉も賛美の歌声も耳に入らず、
組んだ腕から伝わる伴侶の緊張や
ベールの奥に光る涙も見逃してしまうならば
そんなの忘れて欲しいとさえ思います。
たとえば右手と右足が一緒に出たって
誓いの言葉が出てこなくなったって
指輪を中指にはめたって それが二人のオリジナル。
とってもステキじゃないですか。
なので、教えません。
なにも間違いではないからです。
これからご結婚式を迎えるお2人の挙式が、
素敵なオリジナルに包まれることを 願っています。
それではまた。