「おはよう」

彼女…いや、妻が眠そうに起きてきた。

そりゃ、そうだ。昨日は朝２時まで結婚式の３次会。

朝早く結婚式場に行って 準備して。

どうやらいよいよ迎える結婚式にドキドキして 前日はあんまり眠れなかったみたいだし。

でもあんなきらきらした笑顔 初めて見たかもしれない。

昔から仲の良い友達と家族に囲まれて すっごくいい顔してたな。

たくさん笑って たくさん泣いて 感情が忙しい一日だったはずだ。笑

正直 結婚式は花嫁のものだと思ってた。

憧れのウエディングドレスを着て お姫様になれる日。

だから 準備もどこか他人事というか…彼女に頼ってしまっていたところがある。

そんなことだから もちろん準備中に何度もケンカをした。

「全然協力してくれない」「全然分かってくれない」って言われて。

先に結婚している友達に「気をつけろ」と忠告してもらってたのに。。

常にどんなことにも一生懸命な彼女らしく

結婚式の準備も仕事をしながらよく頑張っていたと思う。

そんな彼女の姿勢が僕を少しずつ変えてくれた気がする。

彼女が求めていただけ協力できたかはわからないけど これでも頑張ったつもり。

そして 少しずつ結婚式が楽しみに変わっていった。

「この教会で一生に一度の結婚式をしたい。」

初めて見学した時に ふたりともそう思った。

一生に一回だからこそ 厳かに。

一生に一回だからこそ 思いの詰まった挙式に。

１年半前に申し込んで ようやく迎えた結婚式は

今まで感じたことのない感動を与えてくれた。

自分がどれだけたくさんの人に囲まれて

たくさんの人に支えられて生きてきたか 実感する瞬間だった。

最高に幸せな一日。

こんなに幸せな結婚式をしたんだもん。

これから現れるかもしれないいろんな壁もこの日を思い出せば乗り越えていける。

そして 夫婦として初めて迎える朝は僕が朝食を作って妻を迎える。

「おはよう！」